「手壊し(人力解体)」の意味
手壊し(人力解体)とは、重機を使わずに人の手のみで建物を解体することをいいます。以前の解体工事では、重機で一気に建物を取り壊していく「ミンチ解体」が主流でした。しかし、建設リサイクル法の施行以来、解体業者などの事業者に対し産業廃棄物の分別が義務付けられたため、現在ではミンチ解体は禁じられています。代わりに主流となっているのが、重機と手壊し(人力解体)を併用する「重機併用手壊し工法」です。この工法は、建物内部などを手壊しで解体した後、重機で主な構造部分を取り壊していくというもので、ミンチ解体より時間はかかるものの、廃棄物を分別する上では効率的な方法です。
一方、大型車両が入れないような狭小な土地においては、手壊し(人力解体)が主な解体方法となります。この場合、重機の使用ができないため、バールなどの工具のみで工事を行わざるを得ません。そのため、通常よりも工期が長くなってしまい、その分解体費用も高額につくというデメリットがあります。一般的に見て、重機を併用するより3割から5割ほどコストが高くなると言われています。
その反面、手壊し解体は比較的振動や騒音が発生しにくいため、近隣トラブルを招く危険が少ないという利点もあります。また、廃棄物の分別も容易なことから、環境的な負担も少なくて済みます。
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