「逃げ杭」の意味
逃げ杭とは、境界杭の正しい位置を把握するために打つ、補足の杭のことです。
境界杭は、隣地や道路との境界線上に打たれた杭のことで、杭同士を線で結ぶと敷地境界線が現れるようになっています。1本の境界杭は長さが数十センチ程度で、地面に簡単に打ち込まれているだけなので、工事や災害などの影響で動いてしまうことも多くなっています。境界杭が移動すると、敷地境界線の位置があいまいになり、さまざまなトラブルが発生する可能性もあります。
前述のように、建設工事などでは境界杭や境界標を誤って動かしてしまうことも珍しくありません。実際に、解体工事でも、解体業者が伐根などの際境界杭をずらしてしまうケースが多く見られます。そうした危険に備え、境界杭の本来の位置を明確にできるよう、その周囲に打たれるのが逃げ杭です。
逃げ杭は通常、境界杭の周りに正三角形になるよう配置されます。こうすることにより、1本の杭が動いても、残りの2本から境界杭の正確な位置を割り出すことができます。2ヶ所だけでもOKですが、この場合は境界杭を中心として、2本の逃げ杭が直角になるよう配置します。
逃げ杭を打つ際は、杭の頭が境界杭と同じ高さになるよう打ち込みます。杭の天辺には、境界杭から区切りの良い距離を測って釘を打ち、その数字を杭の側面などに書き込んでおきます。こうすることで、より境界杭の位置が把握しやすくなります。
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