「アスベストの事前調査」の意味
アスベストの事前調査とは、解体工事の際、アスベストの含有について、解体業者が工事前に調査することを言います。
アスベストは耐火性や防音性に優れ、かつ安価で加工しやすいなどの利点から、建築材料として一時期盛んに用いられていました。用途も幅広く、屋根用の化粧スレートや外壁のサイディングボードのほか、断熱材や耐火被覆材などとしてさまざまな部分に使われています。しかし、発じん性が高く、人体に吸い込むと肺がんや中皮腫などの健康障害をもたらすことから、2004年には使用が完全に禁止されました。
その一方で、アスベストを含む建物は、今だに多く残されています。そうした建物を解体する際は、解体業者はアスベストの飛散や、作業時のばく露を防止しなくてはなりません。これは法律によって義務付けられていますが、事前調査もまた、「石綿障害予防規則」で事業者による実施が定められています。
事前調査は、まず設計資料などによって、アスベストの使用状況を確認します(一次調査)。一次調査でも状況が明確にならない場合は、現地で目視による確認などを行い、具体的な情報を集めていきます(二次調査)。必要なら、試料を採取して分析まで行います。その後、調査に基づくレポートを作成し、結果を掲示するまでが、事前調査の流れとなります。
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