ホームページを英語化するときに注意したいポイント
海外に向けてホームページを公開すにはまず、サイトの英語化を考える必要があります。
世界共通語の英語でホームページを制作すればマーケットは世界中に広がりますが、日本人が見落としがちな点が多くあります。
ここでは重要ポイントを8つに絞り、これからホームページの英訳を考えている人の参考になる情報をお届けします。
アピールするポイントは同じでよいか?
日本では通用している自社の強みが海外でも同じように受け入れられるとは限りません。
ホームページに訪問した人が同じ情報を見ても文化が違えば受け取り方も異なります。
日本人では理解が難しい微妙な英語のニュアンスを折り込み、さらに現地の文化も理解してアピールするポイントを考える必要があります。
例えば宿泊施設のサービスをアピールしたい場合、日本人向けなら「ゆったり和室で家族みずいらず川の字でぐっすり睡眠」とすれば家族団らんの画が浮かびます。
ところが英語圏の人からすると和室は理解できても川の字で眠ることに対してイメージが沸きません。
なぜなら彼らは小さい頃から自分の部屋とベッドを与えられて1人で眠ることがほとんどだからです。
畳の上に布団を敷いて家族並んで眠る文化がないのです。
文章のくだけかたは同じにするか
日本語で書かれてあるサイトをそのまま英語化してしまうと非常に堅い内容になってしまいます。
自分たちのサービスがターゲットとする層はどこなのか、ペルソナ(サービスを提供する際に具体的なイメージのベースとなる象徴的なユーザーモデル)を今一度確認し、それに相応しい英語を使ってホームページを制作することが重要です。
サービス展開をしたいのは対企業か対個人か?職種は?年齢層は?性別は?地域は?など考えられる条件は多岐に渡るため、それに相応しい文章表現を意識しましょう。
意訳をする必要がある箇所も
ホームページの内容をそっくりそのまま英語化する必要はありません。
情報を取捨選択して本当に伝えるべき内容が正しく正確に伝わることを優先します。
しかし伝えたい内容が必ずしも全て伝わるとは限りません。
場合によっては意訳して表現する必要もあります。
例えば先程の宿泊施設を例に取りましょう。
「一流の調度品にこだわった部屋」というコンセプトがある場合、日本人向けであれば「有田焼のツボに明治貴族が使用した机、江戸時代から技法を受け継ぐ職人が作り上げた芸術品ともいえる欄間に仕切られた部屋」と説明すると頭の中にイメージが浮かびます。
ところがこれを全て英訳しようとすると膨大な量の説明が必要になります。
有田焼とは?から始まり、明治時代とは何なのか、職人とはどういう意味なのか、欄間とは何のために存在していて江戸時代の技法がどうしてすごいのか、という具合に情報過多になる恐れがあります。
そこはシンプルに「日本伝統の歴史を受け継ぐ部屋」とシンプルに説明してしまったほうがかえって混乱を招かずに済むかもしれません。
日本語と英語は同じ意味を表す時でも言い回しが違うため、意訳したい日本文と英文を比較しながら制作します。
テキストのサイズや行間は同じでいいのか
日本語と英語を比較すると日本語のほうが文字間隔が狭く、同じ内容を文章化しても見た目の印象は異なります。
そのため目の負担にならない読みやすいフォントサイズや行間を意識し、少しずつ条件を変えながらホームページ全体を調整して読み手が読みやすいと感じる環境作成が重要となります。
ホームページは提供するサービスの質の高さもさることながら、第一印象の雰囲気も重要なポイントです。
文字間隔がおかしい、テキストが小さすぎて読みづらいなど悪い印象を与えてしまうとページ離脱につながってしまうので注意が必要です。
見た目の雰囲気は人によって受け取り方が異なるため、必ず複数人の目でチェックするようにしましょう。
翻訳の品質
ホームページを英語化する上で肝となるのは翻訳の品質です。
言い回しはもちろんのこと、文法や単語、さらにビジネスに相応しいレベルの表現が使われているか確認して制作する必要があります。
手間と費用を削減したいからといって自動翻訳サービスを利用するのは推奨できません。
自動翻訳サービスはまだまだ翻訳の精度が低く、不自然な英語表現にしかなりません。
SEO対策を考えた場合、そのような低質な表現のページはスパムとみなされる可能性が高く、検索結果に表示されないホームページに仕上がる恐れがあります。
顔が見えないWebサービスは信頼関係が何よりも大切です。
言葉遣いがおかしく違和感を感じるホームページでは誰もサービスを利用しようとは思いません。
対象とする範囲は広すぎないか
いきなりホームページの全てを英語化しようとすると膨大な時間と労力、そして制作費用が必要になります。
せっかく苦労して作り上げたにも関わらず、思っていた以上にアクセス数が伸びない場合はホームページの根本から見直す必要があり、それまでの作業が無駄になってしまうことも考えられます。
まずはターゲット層に届けたい情報を精査し、それらをまとめた1ページのみを翻訳してアクセスの反応を見ることをお勧めします。
うまく軌道に乗りそうであれば徐々にコンテンツを増やしけばいいのです。
確認する人のパソコンにフォントが入っているか
ホームページで使うフォントはお互いのPCのOS(WindowsやMacOSなど)によって表示できる条件が異なります。
そのためどのOSから見ても正しくフォントが表示されるよう複数のフォントを指定しておく必要があります。
どうしても特殊フォントを使いたい場合はOSに左右されないよう画像として使うことも考えておきます。
Webフォントを使用するのも1つの手です。
データが重くなるので敬遠されがちなWebフォントですが、それはあくまで日本語の場合。英語は文字数が限られいるためページ表示速度に大きな影響は出ず、離脱率の増加にはつながりにくくなっています。
単位は不自然でないか
国によって使われている数字の単位は様々。
日本語のホームページを原文通りに英訳すると不自然な単位表示になり、誤った情報提供に繋がる恐れがあります。
そもそもその国で使われていない単位の可能性もあるため、単位変換した数値を注意書きで掲載するなどの気配りが必要です。
日付の表示方法も日本語だと年/月/日の順番ですが、英語で表記する場合では日/月/年だったり、月/日/年になる場合もあります。
日本人では気づきにくい所でもあるため、ネイティブの目でチェックしながら制作することを心がけましょう。
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