目次
動画を使ったプロモーションや採用活動、社内研修などに取り組みたいと考える企業は年々増えています。ただ、動画制作にはそれなりの費用がかかるため、導入に踏み切れないという声も少なくありません。
そんなときに知っておきたいのが「補助金」や「助成金」の活用です。実は、動画制作の一部費用を支援してくれる制度が存在し、条件を満たせば誰でも申請が可能です。
この記事では、動画制作に使える代表的な補助金制度や、申請にあたっての注意点をわかりやすく解説していきます。
動画制作に使える補助金・助成金とは?
動画制作には費用がかかるため、導入をためらう企業も少なくありません。そんなときに活用できるのが、国や自治体の補助金・助成金です。
とくに中小企業を支援する制度では、プロモーションや業務効率化を目的とした動画制作が対象となることがあります。ただし、制度ごとに目的や条件が異なるため、すべての動画が対象になるわけではありません。
ここでは、補助の対象となる可能性がある動画の目的について、具体的にご紹介します。
販促・広報を目的とした動画
商品の魅力を伝えるプロモーション動画や、自社の取り組みをわかりやすく紹介する企業紹介動画などは、多くの補助制度で「販路開拓」「集客支援」として対象となることがあります。
たとえば、新商品・新サービスのPRを目的として動画を制作し、Webサイトや展示会で活用するようなケースでは、補助対象として認められる可能性が高くなります。制作内容が明確で、活用の場が具体的に想定されていることがポイントになります。
採用活動を支援する動画
近年では、採用活動の一環として動画を活用する企業も増えてきました。社員インタビューや職場風景を通じて、企業の魅力や社風を伝える「採用動画」も、補助金の対象になることがあります。
このような動画は「人材確保」や「企業ブランディング」の一部として評価されることがあり、とくに中小企業の採用支援を目的とした制度では認められるケースがあります。
社内研修用の教育動画
社内教育や研修に使用するための動画も、補助金・助成金の対象として検討できるケースがあります。たとえば、新人社員向けの業務マニュアルや、接客対応・安全管理などを動画化して共有する取り組みがこれに当たります。
こうした動画は「人材育成」や「業務効率化」の文脈で評価され、一定の要件を満たすことで補助の対象となることがあります。
代表的な補助金・助成金制度の紹介
動画制作で活用できる補助金や助成金には、さまざまな種類があります。ここでは、比較的利用しやすく、動画制作が対象となることのある代表的な制度を紹介します。制度ごとに目的や申請条件が異なるため、自社の状況に合った制度を選ぶことがポイントです。
小規模事業者持続化補助金
https://r3.jizokukahojokin.info/
小規模な事業者が販路開拓を行う際に活用できる補助金です。動画制作もパンフレットやウェブサイト制作と並んで対象になることがあります。申請は「通常枠」や「賃金引上げ枠」などの複数の枠から選んで行い、条件を満たせば上限額の加算も可能です。
類型 | 最大補助率 | 補助上限額 |
---|---|---|
通常枠 | 2/3 | 50万円 |
賃金引上げ枠 | 2/3(赤字事業者は3/4) | 200万円 |
インボイス特例 | 上記補助上限に50万円を上乗せ可能 | 50万円 |
※上記以外にも卒業枠・後継者支援枠・創業枠など複数の申請枠があります。申請には枠ごとの追加要件が定められているため、詳細は公式ページで確認してください。
IT導入補助金
中小企業がITツールを導入する際に活用できる補助金です。通常枠では、デジタル化や業務効率化、セキュリティ強化などを目的としたツール導入が対象になります。動画制作そのものは対象外になることもありますが、動画を活用するマーケティングツールやクラウドツールの導入の一部として組み込まれる場合、補助対象となることがあります。
類型 | 補助額 | 最大補助率 | 補助対象経費例 |
---|---|---|---|
通常枠(5万~150万円未満) | 5万円~150万円未満 | 1/2以内 | ソフトウェア購入費、クラウド利用費、導入関連費 等 |
通常枠(150万~450万円以下) | 150万円~450万円以下 | 2/3以内(条件付き) | 同上(賃上げや地域要件を満たす場合) |
セキュリティ対策推進枠 | ~50万円 | 1/2以内 | セキュリティ強化に資するソフト・サービス |
※ツールの導入類型や従業員規模によって補助率・上限額が異なるため、詳細は公式サイトや最新の公募要領をご確認ください。
※動画のみの制作は対象外となることがあるため、導入全体の計画が重要です。
事業再構築補助金
https://jigyou-saikouchiku.go.jp/
事業再構築補助金は、ポストコロナを見据えて大胆な事業転換や成長分野への進出を支援する制度です。販路開拓や業態転換、デジタル化などを含む新たな取り組みが対象となり、動画を活用したプロモーションも要件を満たせば対象に含まれることがあります。
枠の種類 | 対象 | 補助上限額 | 最大補助率 |
---|---|---|---|
成長分野進出枠(通常類型) | 成長分野へ挑戦する中小・中堅企業 | 20人以下:1,500万円(2,000万円) 21~50人:3,000万円(4,000万円) 51~100人:4,000万円(5,000万円) 101人以上:6,000万円(7,000万円) | 中小:1/2(2/3) 中堅:1/3(1/2) |
成長分野進出枠(GX進出類型) | グリーン分野など国の成長戦略に資する事業 | 中小:最大8,000万円(1億円) 中堅:1億円(1.5億円) | 中小:1/2(2/3) 中堅:1/3(1/2) |
コロナ回復加速化枠(最低賃金類型) | 最低賃金引上げの影響を大きく受ける事業者 | 5人以下:500万円 6~20人:1,000万円 21人以上:1,500万円 | 中小:3/4(一部2/3) 中堅:2/3(一部1/2) |
※()内は「短期に大規模な賃上げ」を行う場合の上限額や補助率です。詳細な条件や追加要件は公式サイトをご確認ください。
※補助対象には、建物費・機械装置費・広告宣伝費・販売促進費・専門家経費などが含まれます。枠によって対象経費の範囲や要件が異なるため、必ず最新の公募要領をご確認ください。
※要件や申請内容に応じて補助率が異なります。公募要領の確認が必要です。
ものづくり補助金
https://portal.monodukuri-hojo.jp/
中小企業の生産性向上や新製品・新サービスの開発、海外展開を支援する補助金です。動画制作そのものは補助対象ではありませんが、設備投資やプロモーション活動の一部として関連するケースがあります。技術的な要件や審査基準もあるため、慎重な計画と準備が必要です。
類型 | 補助上限額 | 最大補助率 |
---|---|---|
製品・サービス高付加価値化枠 | 5人以下:750万円 6~20人:1,000万円 21~50人:1,500万円 51人以上:2,500万円 | 小規模事業者・再生事業者:2/3 中小企業:1/2 |
グローバル枠(海外展開支援) | 一律3,000万円 | 小規模事業者:2/3 中小企業:1/2 |
大幅賃上げによる補助上限額引上げ(特例) | 最大+1,000万円 | 達成条件を満たすことで上限額引上げ可能 |
※補助対象経費には、機械装置・システム構築費(必須)、クラウドサービス利用費、原材料費、外注費、技術導入費、知的財産権関連費、専門家経費などが含まれます。
※補助率や補助上限額は、要件や申請者の区分に応じて変動します。最新の公募要領をご確認ください。
J-LOD(コンテンツグローバル需要創出促進事業費補助金)
https://www.vipo.or.jp/project/j-lodr2/
経済産業省が所管するコンテンツ産業支援の補助金で、日本の映像や音楽、マンガ、アニメなどを海外展開するための制作・プロモーションを支援する制度です。動画制作が中心となる事業でも、海外展開を目的としていれば対象となることがあります。
補助上限額 | 最大補助率 |
---|---|
1,000万円程度 | 2分の1以内 |
自治体の補助金
都道府県や市区町村が独自に実施する補助金制度もあります。地域の観光・産業振興を目的に、動画制作費を補助対象とするケースがあります。情報は自治体ごとに異なるため、随時確認が必要です。
申請の際の注意点
ここでは、申請時にとくに注意すべきポイントについて紹介します。スムーズに採択されるためにも、事前に押さえておくと安心です。
動画制作前に申請が必要
多くの補助金制度では、事業に着手する前に申請と採択が必要です。すでに契約や制作が始まっているものは原則として補助対象になりません。スケジュールに余裕をもって、事前の準備を進めることが重要です。
成果物の公開や報告が求められることも
補助金を活用した場合、制作した動画を一部公開したり、成果報告書を提出する義務が生じることがあります。これらに対応できる体制をあらかじめ社内で整えておくと安心です。
採択率にも注意が必要
補助金は非常に有用な制度ですが、申請すれば必ず採択されるわけではありません。以下に、主なIT導入補助金の実際の採択率をまとめました。
IT導入補助金の採択率(2024年)
通常枠
締切日 | 申請件数 | 採択件数 | 採択率 |
---|---|---|---|
4月24日(1次) | 1,576件 | 1,189件 | 約75.5% |
5月27日(2次) | 2,335件 | 1,760件 | 約75.4% |
6月26日(3次) | 2,912件 | 2,206件 | 約75.8% |
7月29日(4次) | 3,286件 | 2,521件 | 約76.7% |
8月30日(5次) | 3,577件 | 2,762件 | 約77.2% |
10月3日(6次) | 5,881件 | 4,648件 | 約79.0% |
11月22日(7次) | 5,573件 | 1,454件 | 約26.1% |
インボイス枠(インボイス対応類型)
締切日 | 申請件数 | 採択件数 | 採択率 |
---|---|---|---|
4月24日(1次) | 1,607件 | 1,531件 | 約95.3% |
5月8日(2次) | 1,548件 | 1,457件 | 約94.1% |
5月27日(3次) | 2,061件 | 1,944件 | 約94.3% |
6月6日(4次) | 2,061件 | 1,957件 | 約94.9% |
6月26日(5次) | 2,830件 | 2,666件 | 約94.2% |
7月8日(6次) | 2,196件 | 2,076件 | 約94.5% |
7月29日(7次) | 3,151件 | 2,924件 | 約92.8% |
8月8日(8次) | 2,408件 | 2,269件 | 約94.2% |
8月30日(9次) | 2,978件 | 2,766件 | 約92.9% |
9月9日(10次) | 3,797件 | 3,567件 | 約94.3% |
10月3日(11次) | 10,043件 | 9,036件 | 約89.9% |
11月22日(12次) | 11,714件 | 1,245件 | 約10.6% |
セキュリティ対策推進枠
締切日 | 申請件数 | 採択件数 | 採択率 |
---|---|---|---|
4月24日(1次) | 18件 | 14件 | 約77.8% |
5月27日(2次) | 24件 | 23件 | 約95.8% |
6月26日(3次) | 33件 | 30件 | 約90.9% |
7月29日(4次) | 20件 | 20件 | 100% |
8月30日(5次) | 35件 | 32件 | 約91.4% |
10月3日(6次) | 46件 | 44件 | 約95.7% |
11月22日(7次) | 49件 | 29件 | 約59.2% |
参考:IT導入補助金(交付決定事業者一覧および交付申請件数2024)
通常枠はおおむね75〜79%で安定していましたが、7次では約26%まで落ち込んでいます。一方、インボイス枠は9月まで90%超の高採択率を維持していましたが、12次では10%台に急落しています。セキュリティ対策推進枠は全体的に高水準で、比較的通過しやすい傾向が見られます。
このように、申請枠によって通過しやすさには大きな差があります。自社の目的や状況に合った枠を選び、十分な準備と戦略をもって申請することが大切です。
補助金を使うなら制作会社への相談がおすすめ
補助金を活用して動画制作を行う場合、制度の理解や申請準備だけでなく、実際の制作内容が補助対象として認められるかどうかの判断も重要です。制作会社に相談することで、過去の事例や予算感に基づいた適切な提案を受けられるほか、申請書類に記載する計画内容についても具体的なアドバイスが得られます。
また、制作会社の中には補助金申請の経験が豊富なところもあり、申請支援まで対応しているケースもあります。はじめて補助金を活用する場合には、単なる制作依頼先としてではなく、申請準備のパートナーとして活用するのも有効です。
補助金活用に不安がある場合は、早い段階で制作会社に相談しておくと安心です。
比較jpは映像製作・動画制作に関する一括見積もりの比較サイトです
比較jpは利用目的や予算などをご入力いただくだけで複数の映像製作・動画制作会社に一括で見積もり依頼が行える比較サイトです。
届いた見積もりや提案を比較するだけで貴社にとって最適な業者を見つけることが可能です。
もちろん見積もり依頼は何度ご利用いただいても無料です。
詳しくは「動画制作・映像撮影会社を比較」のページにてご確認いただけます。
依頼実績一覧
映像製作・動画制作会社を検索
映像製作・動画制作に関するコラム
研修動画活用ガイド|メリット、種類、制作のポイント、制作会社の選び方を解説
動画制作会社の選び方6選・複数の動画制作会社を比較するときの視点
アニメーション動画とは?種類やメリット、費用相場、活用シーンを解説
アニメーション動画制作の費用相場と制作期間の目安は?費用を抑えるコツ6選
研修動画の制作費用はいくら?種類別・時間別・内訳別の相場を解説
採用案内動画の活用ガイド|構成・トレンド・求職者に響くポイント
展示会・イベント動画制作の完全ガイド|種類・費用相場・制作会社の選び方を解説
マニュアル動画制作ガイド|形式・活用法・費用相場・会社の選び方を解説
インタビュー動画の作り方ガイド|メリット・手順・業者の選び方、費用相場を解説
動画広告制作ガイド|制作会社の選び方・費用相場・制作時のポイント・注意点を解説
商品・サービス紹介動画の制作ガイド|メリットや主な種類、費用相場を解説
店舗紹介動画の制作ガイド|メリット・デメリット・相場・費用を抑えるコツを解説
セミナー動画制作ガイド|活用方法、制作会社の選び方、費用相場を解説
IR動画制作ガイド|種類やメリット、費用相場や費用を抑えるコツを解説
プロモーション動画制作ガイド|メリット、活用シーン、種類、費用相場を解説
ブランディング動画制作ガイド|メリット、活用法、費用相場を解説
コンセプト動画制作ガイド|活用シーンやメリット、費用相場を解説
デジタルサイネージ動画制作ガイド|メリットや活用シーン、費用相場を解説
周年記念動画制作ガイド|メリットや活用シーン、費用相場を解説
キャンペーン動画制作ガイド|種類やメリット、費用相場、安くする方法を解説
オープニング動画制作ガイド|メリット、活用シーン、制作費用相場の解説
ゲーム紹介動画制作ガイド|メリットや活用、種類、費用相場を解説
インフォグラフィック動画制作ガイド|種類やメリット、費用相場を解説
ショート動画の制作ガイド|効果や活用例、メリット、費用相場を解説
アニメーション動画が得意なおすすめ制作会社10選と制作実績35選
展示会・イベント動画が得意なおすすめ制作会社11選と制作実績35選
マニュアル動画が得意なおすすめ制作会社10選と制作実績33選
インタビュー動画が得意なおすすめ制作会社10選と制作実績23選
商品・サービス紹介動画が得意なおすすめ制作会社10選と制作実績32選
店舗紹介動画が得意なおすすめ制作会社8選と制作実績・事例24選
セミナー動画が得意なおすすめ制作会社10選と制作実績・事例9選
IR動画が得意なおすすめ制作会社10選と制作実績・事例11選
プロモーション動画が得意なおすすめ動画制作会社10選と制作実績・事例35選
ブランディング動画が得意なおすすめ制作会社10選と制作実績・事例36選
コンセプト動画が得意なおすすめ制作会社10選と制作実績・事例29選
デジタルサイネージ動画が得意なおすすめ制作会社10選と制作実績28選
キャンペーン動画が得意なおすすめ制作会社8選と制作実績19選
オープニング動画が得意なおすすめ制作会社10選と制作実績21選
アプリ紹介動画が得意なおすすめ制作会社10選と制作実績32選
インフォグラフィック動画が得意なおすすめ制作会社7選と制作実績23選


動画制作・映像撮影会社を比較できるビジネスマッチングサイト
比較jpは 動画制作・映像撮影、写真撮影代行、デジタルカタログ、デジタルサイネージ(電子看板) など様々な分野について一括見積もりや資料請求依頼が無料で行えます。