社員総会動画制作ガイド｜種類、メリット、費用相場を解説

社員総会は年に一度、会社の未来を方向づける大切な節目です。しかしスライドと長いスピーチだけでは、せっかくの熱意やストーリーがうまく伝わらず、会場の空気が重くなりがちだと感じたことはありませんか？そんなときこそ映像のチカラが役立ちます。わずか数分の動画でも、1年間の成長や次の挑戦を鮮やかに共有でき、離れた拠点の仲間とも同じ感動を分かち合えます。

本記事では、社員総会で使える動画の種類や制作フロー、費用相場までを初心者向けに解説しました。読み進めれば「まず何から始めればいいのか」がはっきり見え、制作会社への相談や社内調整もスムーズに進められるはずです。

社員総会動画とは

社員総会動画とは、オープニングやエンディングといった単体の演出用映像から、業績報告やハイライトを含む複数パート構成の作品まで、社員総会を盛り上げるために制作・上映するあらゆる映像コンテンツを指します。

社員総会動画の事例

【ALJ GROUP】2023年度社員総会

第18期ガゼル株式会社社員総会オープニングMovie

アローグループ社員総会 Innovation Ceremony2024ダイジェスト動画

社員総会動画の種類

社員総会で使用する映像は、流すタイミングや目的によって担う役割が大きく変わります。ここでは代表的な4タイプを紹介します。適切に組み合わせることで会場の温度感をコントロールでき、参加者の集中力を切らさずに進行できます。

オープニングムービー

イベント開始直後に上映し、期待感と高揚感を一気に高めます。力強い音楽や会社のスローガンを盛り込み、「今から重要な時間が始まる」というスイッチを入れる役割です。初参加の社員にも会社の世界観を短時間で共有でき、集中力を引き寄せる効果があります。

アタックムービー

プログラムの切り替えや登壇者紹介の前後で流す短い映像です。テンポの良い編集とインパクトのあるビジュアルで会場の空気をリフレッシュし、次のコンテンツへの期待を高めます。表彰シーンを盛り上げたい時などにも活躍し、長時間の総会でも飽きを防ぎます。

エンディングムービー

総会の締めくくりとして上映し、その日共有した感動や学びを心地よい余韻として会場に残します。スタッフロールや写真を織り交ぜることで達成感を高め、翌日からの行動を後押しできます。オンライン配信でも視聴者を穏やかにログアウトへ導く役割を担います。

ダイジェストムービー

総会全体を数分にまとめた振り返り映像です。参加できなかった社員への共有や、社外向けに編集して採用・広報コンテンツに転用するなど幅広く活用できます。要点を絞り活気あるBGMを合わせると、再生するたびに当日の熱量を思い出させる社内資産になります。

社員総会動画の活用シーン

社員総会で上映した映像は、当日の盛り上げ役で終わらせるのはもったいありません。社内外のさまざまなチャネルに展開すれば、制作コストを回収できるだけでなく、企業ブランディングや情報共有のスピードも大きく向上します。ここでは代表的な活用先とポイントを紹介します。

採用広報

オープニングムービーやハイライト映像を会社説明会や採用サイトに転用すると、短時間で社風や価値観を伝えられます。求職者はリアルな社員の表情やイベントの熱気から「この会社で働くイメージ」をつかみやすくなり、入社後のギャップを減らせます。内定者フォローのオンラインオリエンテーションで流せば、理念共有とモチベーション向上を同時に図れる点もメリットです。

SNS拡散

総会動画の中からエモーショナルな瞬間やメッセージ性の高いシーンを30〜60秒の縦型ショート動画に再編集し、Instagram ReelsやTikTokで発信します。ハッシュタグ「#社員総会」や自社固有のタグを添えると、従業員のリポストやコメントでリーチが一気に広がる可能性があります。

社史アーカイブ

毎年の総会映像を蓄積しておくと、10年後には企業の歩みを一望できるドキュメンタリー資料になります。周年記念イベントや株主総会で過去映像を挟むと、成長ストーリーがひと目で伝わり説得力が増します。

社員総会動画を導入するメリット

社員総会に動画を取り入れると、伝えたい想いや成果を、より直感的に、より深く伝えることができます。スライドだけでは伝わりにくい熱量や一体感を、映像なら鮮やかに共有できるからです。ここでは、動画を導入することで得られる主なメリットを分かりやすく紹介します。

モチベーション向上

社員や組織全体の挑戦や成長を映像で振り返ることで、努力の積み重ねや未来への期待を実感でき、次の目標に向かう意欲を引き出せます。社長や役員のメッセージを肉声で届けると、理念や方針がより心に響き、日々の行動につながりやすくなります。

情報伝達の効率化

業績データや方針発表も、アニメーションやビジュアルを交えることで短時間で分かりやすく伝えられます。ライブ配信や録画視聴にも対応できるため、会場にいない社員にも同じ情報を正確に届けることができます。

一体感とコミュニケーションの活性化

遠隔拠点やリモート勤務の社員も、リアルタイムやオンデマンド配信によって総会に参加できます。同じ映像を共有することで物理的な距離を超えた一体感が生まれ、映像をきっかけにしたコミュニケーションも自然に活性化します。

ブランドイメージと採用力の強化

完成度の高い総会映像は、社外への発信にも活用できます。企業の姿勢や雰囲気を伝える素材として、採用活動や取引先へのアピールに役立ちます。社内イベントの様子を外部に発信することで、企業ブランドの向上にもつながります。

動画制作の流れ（企画〜公開まで）

社員総会で使用する動画をスムーズに仕上げるためには、あらかじめ全体の制作プロセスを整理しておくことが大切です。どんな動画でも、流れに沿って進めれば、クオリティを保ちながら無理なく完成までたどり着けます。ここでは、初めてでもイメージしやすいように、企画から公開までの基本的な流れを順番にまとめました。

企画・目的設定

まずは「誰に何を伝えたいか」を明確にします。ターゲットとメッセージを決めたうえで、動画の長さや演出イメージを社内で共有しておきます。役員インタビューの有無、過去総会の素材の使い方などもこの段階で検討し、必要な撮影や予算感をざっくりと把握しておくと、後の工程がスムーズです。

台本・絵コンテ作成

伝えたい内容をわかりやすい順番に整理し、台本に落とし込みます。映像のどこでテロップを出すか、どのタイミングでBGMを入れるかもここで具体的にイメージします。簡単な絵コンテ（イラストや図でも可）を作ると、社内でのイメージ共有が早くなり、認識違いによる手戻りを防げます。

撮影・素材収集

必要な映像素材を集める工程です。社内で撮影する場合は、撮影場所の確保や社員のスケジュール調整が必要になります。社外で撮影する場合は天候や施設の使用状況に左右されることもあるため、余裕を持ったスケジュール設定が大切です。

編集・試写

撮影した素材や、既存データを使って編集作業に入ります。仮編集版を早めに社内共有し、誤字脱字や映像の流れに違和感がないかをチェックします。ナレーションやBGM、テロップの最終調整を行い、仕上がりをブラッシュアップしていきます。試写会を開いて客観的な目線で確認するのもおすすめです。

公開・配信・アーカイブ

完成した動画を、社員総会当日に上映したり、オンライン配信するフェーズです。当日のトラブルを防ぐため、事前リハーサルで機材や回線状況をしっかりチェックしておきます。上映後はアーカイブデータを保管し、社内ポータルや採用サイトなど、ほかの用途でも有効活用できるように整理しておきましょう。

制作を成功させるポイント

社員総会動画を成功させるためには、ただ映像を作るだけでは不十分です。誰に何を届けたいのかを明確にし、ストーリー設計や演出の細部にまでこだわることで、視聴者の心を動かす映像に仕上げることができます。ここでは、初めて制作に取り組む方でも実践しやすい、重要なポイントを整理しました。

テーマ設定とメッセージ設計

社員総会動画のテーマを決める際は、まず「誰に何を伝えたいのか」をできるだけ具体的にイメージすることが大切です。例えば、未来への期待感を高めたいのか、1年間の成果を称えたいのか、あるいは会社の理念を再認識してもらいたいのか。目的に合わせてメインメッセージを設計すると、映像の流れや演出も自然に決まっていきます。早い段階で方向性を絞り込むことで、企画から完成までブレない進行が可能になります。

BGMと演出

映像の雰囲気はBGMで大きく変わります。開始から30秒で雰囲気を決めるアップテンポ曲を選び、締めには余韻を残すミディアムテンポの曲を使うなど、緩急を意識します。選曲の際は音楽著作権や商用ライセンスを確認し、安心して公開できるようにしておきます。

再生時間とテンポ

映像の長さを決める際は、視聴者の集中力や視聴環境を考慮することが大切です。業績報告などの情報量が多いパートは特に、グラフィックやナレーションを活用してテンポ良く構成すると、理解しやすくなります。また、イベントの振り返りやSNS用に使う映像は、短くインパクトのある内容に編集し、視聴者が最後まで飽きずに見られる工夫が求められます。

制作費用の相場

動画制作の費用は、「このくらい」と一言で言い切れるものではありません。企画から納品までの工程や演出の規模、使う素材の有無によって金額は大きく変わります。ここでは、制作工程ごとと全体の価格帯別に分けて、費用の目安をわかりやすく整理しました。初めて依頼を検討する方でもイメージしやすいよう、各ケースの代表的な内容も併せて紹介しています。

制作工程別の相場

工程	内容の例	費用目安	期間目安
企画・構成	ヒアリング、台本作成、構成設計など	5万～20万円以上	約1～2週間
撮影	撮影日数、カメラ台数、ロケ地数、機材使用。シンプル撮影〜ロケ含む撮影まで対応	10万～30万円以上	半日～数日程度
編集	カット編集、テロップ、BGM、ナレーション挿入など	15万～50万円程度	約1～3週間
納品・加工	字幕対応、SNS用フォーマット変換、多言語対応など	5万～15万円以上	約1週間前後

企画・構成

動画制作の土台となる工程です。目的や伝えたい内容を明確にし、構成案や台本に落とし込む作業が中心です。ヒアリングを重ねて設計を練る場合はやや費用が上がる傾向がありますが、ここに時間をかけると全体のクオリティが安定します。

撮影

撮影の規模やロケーションによって費用幅が大きく異なります。簡易な社内撮影で済む場合は比較的安価に抑えられますが、複数拠点でのロケや特機材を使う場合はコストが上がります。撮影準備や立会いの人件費も含めて考える必要があります。

編集

撮影素材や既存素材を組み合わせて、視覚的にわかりやすく仕上げていく工程です。カット編集に加え、テロップ・図解・BGM・ナレーションなどを加えることで完成度が高まります。演出内容や尺によって費用は変動します。

納品・加工

納品形式や用途によって求められる出力内容が異なります。上映用、社内共有用、SNS投稿用などのフォーマット変換や、字幕・多言語対応の有無でコストが変わるポイントです。細かい修正や調整もこの工程で行います。

価格帯別の相場

価格帯	典型的な制作内容	期間目安
20万～50万円	既存写真やスライドを素材に短尺編集、簡易アニメーションのみ	2～3週間
50万～120万円	社長インタビュー撮影＋編集、BGM選曲、テロップ・図表アニメ	1～2か月
120万～300万円以上	複数ロケ撮影、ドローン空撮、3DCGやモーショングラフィックなど高演出	-

20万～50万円のケース

この価格帯では、撮影を行わず既存素材（写真・資料など）を使った編集が中心です。簡単なアニメーションやBGM挿入を交えた短尺動画が多く、スピードと費用を重視したい場合に向いています。

50万～120万円のケース

社長メッセージやインタビュー映像など、実際の撮影を取り入れた動画制作が可能になります。企業の雰囲気やリアルな声を届けたいときに適しており、編集の自由度も高まります。音楽やテロップをしっかり使いたい場合にも最適です。

120万～300万円以上のケース

複数のロケ地撮影やドローン空撮、モーショングラフィックや3DCGなど、表現力の高い映像演出が可能になる価格帯です。ブランディングや採用映像など、社外にも発信したい高品質な動画に適しています。企画から撮影、編集まで一貫して行うフルオーダー制作が主流となります。

内製と外注のメリット・デメリット

動画制作を社内で行うか、外部に依頼するかで悩む企業は多いかと思います。それぞれにメリットと注意点があり、自社の予算やスケジュール、制作目的によって最適な選択は変わってきます。ここでは「内製」「外注」「ハイブリッド」の3つの進め方について、特徴や活用のポイントをわかりやすくまとめました。

内製の特徴

社内で動画を制作する場合、社員同士でコミュニケーションが取りやすく、会社の文化や細かなニュアンスを反映しやすいのが大きな強みです。急な修正や差し替えにも柔軟に対応できるため、スピード感を重視したい場合にも向いています。

一方で、専用の機材やソフトを揃える初期投資や、編集作業にかかる時間が大きな負担となることもあります。担当者の本来の業務時間を圧迫してしまい、結果的に全体の効率が下がる可能性がある点には注意が必要です。

外注の特徴

外部の動画制作会社に依頼する場合、プロの技術と最新機材を活用できるため、完成度の高い映像が期待できます。ヒアリングをもとに企画・構成からサポートしてくれる会社も多く、社内のリソースに余裕がない場合にはとくに有効な選択肢です。また、過去の制作実績が豊富な会社を選べば、目的に合った表現方法の提案やトラブル対応も安心して任せられます。

一方で、外注にはデメリットもあります。基本的に内製より費用は高くなりやすく、内容によっては追加料金が発生することもあります。契約時には作業範囲やオプション費用の条件を細かく確認しておくことが重要です。

ハイブリッド活用

内製と外注を組み合わせたハイブリッド方式も、近年多くの企業で採用されています。たとえば、社内で撮影した映像素材を、外部のプロに編集や仕上げだけ依頼するスタイルです。これにより、コストを抑えつつ、クオリティも確保することができます。

社内で手が回る部分と、プロの手を借りたい部分を明確に分けることで、効率的かつ柔軟な制作体制が整います。ただし、工程の切り分けがうまくいかないと、仕上がりイメージのズレや調整コストが発生するリスクもあるため、役割分担と事前共有を丁寧に行うことが成功のポイントです。

制作会社選びのポイント

動画制作を外部に依頼する際、単に費用だけで決めてしまうと、あとで「こんなはずじゃなかった」と後悔してしまうこともあります。制作会社ごとに得意分野や提案スタイルは異なるため、総合的な視点で比較検討することが大切です。ここでは、制作会社を選ぶ際に注目すべき主なポイントを整理しました。

企画力とヒアリング力

ただ依頼内容を聞くだけでなく、潜在的な課題やゴールを引き出してくれる企画力・ヒアリング力がある会社は心強いパートナーになります。言葉になっていない要望までくみ取り、目的に沿った映像プランを提案してくれるかどうかが、完成後の満足度に直結します。初回打ち合わせでの質問の深さや提案の具体性をチェックしましょう。

実績と提案力

過去の制作実績を見れば、会社ごとの得意領域や表現スタイルがわかります。特に、自社と同じ業界や用途での実績が豊富な会社は、現場感覚や必要なメッセージを理解してくれるため打ち合わせがスムーズです。また、企画段階で複数案を提示してくれる会社は、状況に応じた柔軟な対応力も期待できます。

価格と見積もり透明性

見積もりを比較する際は、単なる金額の大小だけでなく、内訳がどれだけ細かく明示されているかも重要な判断基準です。人件費・撮影費・編集費などが明確に分かれていれば、後からの追加費用リスクを減らせます。また、相見積もりを取るときは依頼条件を統一し、極端に安すぎる場合は納期遅延や品質低下のリスクがないか慎重に見極めましょう。