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インターネットを使って情報を探したり、買い物をしたりするのは、もはや当たり前の時代です。
しかし、もしそのサイトが一部の人にとって使いにくかったらどうでしょうか。文字が小さすぎて読めない、ボタンが押しにくい、スクリーンリーダーが正しく動作しない…。そんな問題があると、多くの人がストレスを感じ、結果的にサイトの利用をやめてしまうかもしれません。
そこで重要になるのが「WEBアクセシビリティ」です。そして、その課題をチェックし、解決の糸口を見つけるのが「WEBアクセシビリティチェックツール」です。
本記事では、初心者でも簡単に使えるチェックツールやその活用方法について紹介していきます。
WEBアクセシビリティチェックツールとは?
WEBアクセシビリティチェックツールは、WEBサイトのアクセシビリティ基準への適合状況を自動で診断するツールのことです。例えば、テキストのコントラストが適切か、画像に適切な代替テキスト(alt)が設定されているか、キーボード操作のみで閲覧可能かなど、多岐にわたるチェックが行われます。
これらのツールを利用することで、専門的な知識がなくても、WEBアクセシビリティの改善点を簡単に見つけることができます。
WEBアクセシビリティチェックツール(有料・無料)
現在、多くのアクセシビリティチェックツールが提供されており、それぞれ異なる特徴を持っています。これらのツールを使うことで、WEBサイトのアクセシビリティに関する問題点を見つけ、改善するための手がかりを得ることができます。無料で利用できるものから、有料で高度な機能を提供するものまでさまざまなので、自社の目的に合ったツールを選ぶことが大切です。
ツール名 | 特徴 | 対応基準 | 無料・有料 | 対応環境 |
---|---|---|---|---|
WAVE | 視覚的に問題を確認しやすく、初心者向け | WCAG | 無料 | ブラウザ |
axe | 開発者向けで詳細な診断が可能 | WCAG, Section 508 | 無料 / 有料 | ブラウザ, 拡張機能 |
Lighthouse | Googleが提供する開発ツール内の機能 | WCAG | 無料 | ブラウザ (Chrome) |
aDesigner | 視覚障がい者の視点でサイトをチェック | WCAG | 無料 | Windows アプリ |
NVDA | 視覚障がい者向けのスクリーンリーダー | なし | 無料 | Windows |
ColorTester | WEBサイトの色のコントラストを確認 | WCAG | 無料 | Web |
miChecker | 日本のアクセシビリティ基準に基づいたチェック | JIS X 8341-3 | 無料 | Windows |
Alt & Meta viewer | 画像のalt属性やメタデータを確認 | WCAG | 無料 | ブラウザ拡張機能 |
Colour Contrast Analyser (CCA) | テキストと背景のコントラスト比を測定 | WCAG | 無料 | Windows, Mac |
Siteimprove | 継続的なサイト監視が可能 | WCAG, ADA | 有料 | クラウドベース |
WAIV2 | 日本国内向けの包括的なアクセシビリティ診断 | JIS X 8341-3 | 有料 | クラウドベース |
axe Monitor | サイト全体のアクセシビリティ監視を継続的に行う | WCAG, Section 508 | 有料 | クラウドベース |
ユニウェブ | 日本のアクセシビリティ基準に対応したチェック機能 | JIS X 8341-3 | 有料 | クラウドベース |
無料ツール
Lighthouse
Lighthouseは、Google Chromeの開発ツール内に組み込まれており、アクセシビリティだけでなく、SEOやパフォーマンスの診断も行えるツールです。開発者向けの詳細なレポートを生成し、改善点を具体的に示してくれるため、サイト全体の品質向上に役立ちます。
WAVE
WAVEは、ブラウザ上で簡単にホームページのアクセシビリティをチェックできるツールです。サイト上の要素を色分けして表示し、どこに問題があるのかを視覚的に把握しやすいのが特徴です。スクリーンリーダーとの連携も可能で、特に初心者や非開発者にも扱いやすい設計になっています。
axe
axeは、開発者向けのアクセシビリティ診断ツールで、コードレベルの詳細な分析を行うことができます。JavaScriptの影響も考慮した検査が可能で、リアルタイムで問題点を検出し、修正方法を提案してくれます。無料版でも基本的な機能を利用できますが、より高度な機能を使うには有料版が必要です。
NVDA
NVDAは、視覚障がい者向けのスクリーンリーダーで、音声読み上げ機能を利用してホームページを操作できるようにするツールです。無料で利用できるにもかかわらず、高い精度の読み上げ機能を備えており、視覚障がい者が実際にどのようにホームページを利用するのかを確認するのに役立ちます。
ColorTester
ColorTesterは、色のコントラストをチェックし、視覚的に識別しやすいデザインになっているかを確認できるツールです。色覚異常を持つユーザーの視点での見え方をシミュレーションできる機能も備えており、デザインのアクセシビリティ向上に役立ちます。
miChecker
miCheckerは、総務省が提供する無料のツールで、日本のアクセシビリティ基準(JIS X 8341-3)に基づいたホームページの評価を行うことができます。日本国内の企業や自治体が公的機関のサイトを作成する際の基準確認にも適しています。
Alt & Meta viewer
Alt & Meta viewerは、ホームページ内の画像やメタデータの設定を確認し、適切な情報が入力されているかをチェックできるツールです。特に、代替テキスト(alt属性)の設定状況を簡単に確認でき、視覚障がい者のための改善に役立ちます。
Colour Contrast Analyser (CCA)
Colour Contrast Analyser (CCA)は、テキストと背景のコントラスト比を測定し、アクセシビリティ基準(WCAG)に適合しているかを確認するツールです。異なる色覚を持つユーザーがどのようにサイトを閲覧するかをシミュレーションする機能もあり、視認性向上のための改善に役立ちます。
有料ツール
Siteimprove
Siteimproveは、有料のクラウドサービスで、定期的にホームページのアクセシビリティを監視し、レポートを提供します。企業や官公庁など、長期的な運用管理が必要な場合に適しており、自動診断機能や詳細なレポート作成機能を備えています。
WAIV2
WAIV2は、日本国内の企業向けに開発されたアクセシビリティチェックツールで、JIS X 8341-3 に準拠した診断が可能です。法的基準に沿った対応が求められる企業にとって、信頼できる診断結果を提供します。
axe Monitor
axe Monitorは、サイト全体のアクセシビリティを継続的に監視し、詳細なレポートを提供するツールです。大規模なホームページ向けに適しており、チームでの品質管理を支援する機能も充実しています。
ユニウェブ
ユニウェブは、企業向けのアクセシビリティチェックツールで、日本国内のホームページ基準に対応した診断機能を提供します。特に、企業のブランドイメージを損なうことなく、アクセシビリティを確保するための支援を行います。
ツールの選び方
WEBアクセシビリティチェックツールを選ぶ際には、どのような目的で使用するのかを考えたうえで、自社に合ったものを選ぶことが大切です。ツールごとに特徴が異なるため、求める診断精度や操作のしやすさを比較してみましょう。
開発者向けに詳しく診断を行いたい場合は、「axe」や「Lighthouse」などのツールが適しています。これらは、ホームページのコードを解析し、技術的な問題点を詳細に指摘してくれるため、エンジニアが修正しやすいのが特徴です。
一方で、サイトの見た目や使いやすさを視覚的に確認したい場合は、「WAVE」や「aDesigner」がおすすめです。WAVEは問題点を分かりやすく色分けして表示してくれるため、初心者でも改善点を把握しやすいです。aDesignerは視覚障がい者の視点でホームページをシミュレーションできるため、ユーザー体験をより深く理解できます。
また、企業が継続的にアクセシビリティを管理したい場合は、有料の「Siteimprove」のようなツールを活用するのも良いでしょう。定期的なサイト監視やレポート作成機能があり、長期的な品質向上を目指す企業には便利です。
無料ツールでも基本的な診断は十分可能ですので、まずはいくつか試してみて、自社に合ったものを選ぶとよいでしょう。
まとめ
WEBアクセシビリティは、今後ますます重要視される分野です。誰もが使いやすいホームページを提供することは、すべてのユーザーの利便性を高めるだけでなく、企業の信頼向上にもつながります。
WEBアクセシビリティチェックツールを使えば、専門的な知識がなくても、サイトの問題点を発見し、改善のヒントを得ることができます。ただし、ツールの診断結果をそのまま鵜呑みにするのではなく、アクセシビリティの基準を理解し、実際のユーザーの視点を取り入れながら改善を進めることが大切です。
ホームページの制作やリニューアルを考えている企業の担当者は、アクセシビリティを考慮できるホームページ制作会社を選び、より多くのユーザーが快適に利用できるサイトを目指していきましょう。
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