監修者
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身近な店舗やオフィスの入り口などで防犯カメラを見かけることが多くなりましたが、いざ自社のセキュリティ対策として導入を検討するとなると、どんな種類を選べばいいのか迷うことも多いかと思います。とくに、昔から利用されてきたアナログ防犯カメラと、インターネットを活用するネットワーク防犯カメラ(デジタルカメラ・IPカメラ)は、見た目は似ていても仕組みや特徴が大きく異なります。
防犯カメラの選び方によって、導入や運用にかかる費用や手間が変わってきたり、映像のクオリティや管理のしやすさにも差が出たりします。
そこで本記事では、アナログ防犯カメラとネットワーク防犯カメラの基本を初心者の方にもわかりやすく解説し、それぞれの違いや選び方を整理して解説していきます。
アナログカメラとネットワークカメラの基本的な違い
アナログカメラの特徴
アナログカメラは、映像をアナログ信号として出力し、専用の同軸ケーブルを通じて録画装置(DVR)に接続します。従来から広く使われている技術であり、コストが比較的安く、シンプルなシステムを構築しやすいのが特徴です。
画質はフルHD(1080p)程度のものが主流ですが、最新の機種ではそれ以上の解像度に対応するものもあります。また、ケーブル接続による安定した映像伝送が可能なため、ネットワーク環境に依存しない点もメリットです。
ネットワークカメラの特徴
ネットワークカメラは、映像をデジタルデータとして扱い、インターネットや社内ネットワークを介して録画装置(NVR)やクラウドサーバーに送信します。近年、企業の防犯対策において導入が増えているタイプのカメラです。デジタルカメラやIPカメラと呼ばれることもあります。
高解像度の映像をリアルタイムで確認できるほか、遠隔地からでもスマートフォンやPCで監視できるのが大きな利点です。また、AI技術を活用した顔認証や異常検知機能を備えたモデルもあり、セキュリティ強化に貢献します。
違いのまとめ
価格の違い
アナログカメラは比較的導入コストが安く、システムもシンプルに構築しやすい傾向があります。一方、ネットワークカメラは高解像度や遠隔監視など高度な機能を備えていることが多く、その分初期費用が高くなる場合があります。
また工事費用に関してはアナログカメラは配線が比較的シンプルなため安価に済むケースが多い一方、ネットワークカメラはLAN配線や機器の設定が必要となるため工事費が高くなる場合があります。ただし、運用の効率化や遠隔管理など長期的にはコスト削減につながる可能性があります。
画質の違い
アナログカメラでもフルHD(1080p)以上の高画質に対応できるモデルは登場していますが、ネットワークカメラは4Kなどの超高解像度モデルが豊富です。ネットワークカメラでは細部まで鮮明に映し出せる映像が得られ、防犯や監視の精度向上につながります。
安定性の違い
アナログカメラは映像を同軸ケーブル経由で伝送するため、ネットワークの混雑や通信環境の変動に左右されにくく、安定した映像を得やすいです。一方、ネットワークカメラはLANケーブルやインターネットを利用するため、ネットワーク障害や帯域幅の不足による映像遅延や途切れが起こる可能性があります。
ただし、通信環境を最適化し、十分な帯域を確保すれば高画質の映像を安定して配信できるメリットがあります。
配線の違い
アナログカメラは同軸ケーブルを用いて映像を伝送し、録画装置(DVR)に接続します。ネットワークカメラはLANケーブルを用いるため、既存のネットワーク環境を活用できる点が利点です。
ただし、アナログカメラは配線距離が長くなる場合、追加のブースターや工事が必要になることがあります。また、ネットワークカメラはPoE(Power over Ethernet)対応モデルであれば電源ケーブルを使用せずLANケーブルのみで使えるため、配線をスッキリさせることが可能です。
データの転送速度・伝送距離の違い
アナログカメラはアナログ信号を同軸ケーブルで伝送するため、ケーブルの品質や距離によっては映像が劣化することがあります。ネットワークカメラはデジタルデータをLANケーブルや光回線などで送信するため、基本的には映像の劣化が少なく、高画質を長距離まで維持できると言った違いがあります。
ただし、ネットワーク帯域が不足している場合や通信環境が不安定な場合、映像に遅延や途切れが生じることがあるため、導入時には回線環境にも配慮が必要です。
セキュリティの違い
アナログカメラの映像はアナログ信号で伝送されるため、盗聴や外部からの傍受リスクは低い一方で、暗号化やパスワード保護などの高度な対策を取りづらい場合があります。ネットワークカメラは暗号化通信やファイアウォールの設定などによるセキュリティ強化が可能ですが、不正アクセスを防ぐために定期的なパスワード変更やファームウェアの更新を行う必要があります。ネットワーク経由で操作できる分、侵入を試みられるリスクもあるため、対策が欠かせません。
データ保存方法の違い
アナログカメラでは映像を専用の録画装置(DVR)に保存し、一定期間が経過すると古い映像から順に自動で上書きされるのが一般的です。一方、ネットワークカメラの場合、NVRに保存するだけでなく、クラウドストレージを利用して直接映像を記録できるモデルやサービスもあります。NVRに保存する場合は基本的に容量が限られているため、古いデータが上書きされる運用になる点はアナログカメラと同様です。
ただし、クラウドストレージの活用により保存領域を拡張しやすく、必要に応じて長期保存やバックアップを柔軟に行えます。災害や機器故障によるデータ損失を抑えられるメリットもあるため、システムの安定運用を重視する企業には有効な選択肢といえます。
機能の違い
アナログカメラは基本的に映像を撮影し、録画する機能が中心です。ネットワークカメラは高解像度だけでなく、AIやクラウドと連携した高度な機能を利用できるのが特徴です。たとえば、不審者の検出や顔認証システムとの連動など、多彩な機能拡張が可能となります。複数拠点を一元管理したい場合にも、ネットワークカメラのほうが適しています。
拡張性の違い
アナログカメラを増設する場合、同軸ケーブルや録画装置(DVR)のチャンネル数が増えるため、配線が複雑になったり、物理的な限界が生じやすくなります。一方、ネットワークカメラはLANケーブルやハブを増やすだけでカメラを追加でき、大規模システムや多拠点の映像をまとめて管理しやすいといった特徴があります。また、クラウドサービスと連携することで、離れた場所からでも同じ環境で映像を確認できるなど、運用の幅が広がります。
施工性の違い
アナログカメラは配線方法や機器設定が比較的シンプルなので、設置や調整が簡単な場合が多いです。ネットワークカメラはLAN配線の構築やルーター設定などの知識が必要になる場合がありますが、PoEなどを活用すれば電源工事を簡略化できる利点もあります。複数台を一括で導入する際は、ネットワークの設定をしっかり行うことで大規模運用でも効率的に管理できる環境を整えやすくなります。
アナログカメラとネットワークカメラの選び方
防犯カメラを導入する際、どのような環境や目的に適したカメラを選ぶべきか迷うことはありませんか? コストを抑えて導入したいのか、高解像度やAI解析機能を活用したいのかなど、選択のポイントはさまざまです。
ここでは、小規模オフィスや屋外設置、大規模施設などのケースごとに、アナログカメラとネットワークカメラの適性を解説します。
初期費用を安く抑えたい場合
初期コストを抑えたい、複雑なネットワーク設定にあまり時間をかけられないという方には、アナログカメラが向いています。配線がシンプルで導入が比較的容易なため、少ないカメラ台数で運用する場合に適しています。ただし、将来的にカメラ台数や機能を増やしたい場合、拡張には工事が必要になる点を考慮しましょう。
小規模オフィス・店舗の場合
設置するカメラの台数が少なく、監視範囲が限られている場合はアナログカメラでも十分機能することがあります。とくに予算を抑えたい場合や、専門知識を持ったスタッフがいない場合には、導入のハードルが低い点が魅力です。
他システムと連携させたい場合
顔認証システムや入退室管理システムなど、ITとの連携を強化したい場合はネットワークカメラが適しています。クラウドサービスやAPIを通じてほかのシステムと連動させやすい点がメリットです。一方、アナログカメラでも映像信号をデジタル化する装置を介してシステム連携が可能なケースがありますが、工数や追加機器の費用がかさむ場合があります。
データ保全を最優先する場合
録画データの紛失や破損を防ぎたい場合、ネットワークカメラを選びクラウドストレージと連携させる方法が有効です。映像を複数の場所にバックアップできるため、災害や機器の故障が起きてもデータを失いにくくなります。アナログカメラでもDVRを冗長化したり、バックアップ装置を併用することでデータ損失のリスクを下げられますが、ネットワークカメラに比べると選択肢が限られる場合があります。
大規模施設や多拠点管理の場合
大きな倉庫や複数の拠点を一括管理したい場合は、ネットワークカメラが有力候補になります。LANケーブルで配線でき、PoE対応モデルを使うことで電源工事を簡略化できるのがメリットです。クラウドサービスや専用ソフトを導入すれば、遠隔地からも複数拠点の映像をリアルタイムで監視・管理できます。長期的な拡張性や高度な運用を視野に入れるなら、ネットワークカメラを検討しましょう。
高解像度やAI機能が必要な場合
レジ周辺の細部を鮮明に映したい、あるいは異常行動や不審者の検出など高度な解析を行いたいケースでは、ネットワークカメラが優れています。4Kなどの超高解像度モデルやAIを活用した監視システムを導入することで、防犯効果を高められます。一方で、導入費やネットワーク設定の手間は増えるため、予算と技術面の準備を行うことが大切です。
まとめ
防犯カメラの導入は、企業の安全対策として有効な手段の一つです。アナログカメラは低コストでシンプルな運用が可能であり、ネットワークカメラは高機能で柔軟な管理が可能です。
導入を検討する際は、自社の目的や環境に合わせて最適なシステムを選ぶことが重要です。
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