家屋解体に関する見積もりのチェックポイント
家屋解体にとりかかる際、まず必要になるのが見積もりの確認です。
解体業者から提示された見積書を元に依頼先を探すことになりますが、その際、問題となるのが「どのような点をチェックすればよいか」という点でしょう。ほとんどの人は解体について初心者のため、注意すべき点が分かりにくいというのが実情だと思います。
今回はそうした人のために、家屋解体で見積もりを取る際、気をつけるべきチェックポイントについて解説していきましょう。
1.家屋解体での養生面積
家屋解体に際しては、必ず周囲に養生をしなくてはなりません。
家屋解体では、主に重機などの機械を用いて建物を壊すため、かなりの粉塵や騒音・振動が発生します。
そうした粉塵や騒音は、何も対策を取らないと周囲に拡散し、近隣住宅に大きな迷惑をかけてしまいます。
養生は、そのような被害を防ぐための防塵や防音の機能があります。ですから、見積もりのチェックを行う際は必ず養生の点についても確認しておきましょう。
工事における養生は、まず現場の周囲に単管パイプ等を打ち込んで組み上げ、それに沿って養生シートを設置します。
チェックするポイントとしては、養生の面はどれくらいか、面積は不足していないかといったことや、骨組みの材質(単管パイプや丸太等)や養生シートの種類(防音シート、防災シート等)といったことなどが挙げられます。
養生の種類や方法は、解体業者の質を見分けるポイントにもなりますので、しっかりチェックしておきましょう。
2.家屋解体の見積もり範囲
2社以上の解体業者に見積もりを取る場合、見積もり金額だけでなく見積もりの内容についてもチェックが必要です。
各社の見積もりを比較する際に、それぞれの見積もり内容がバラバラでは意味がありません。
解体・撤去してもらいたい工事範囲がきちんとそろっているか、または余計なものが含まれていないかについても確認しておきましょう。
例えば、撤去する建物の面積は妥当か、植栽やカーポート、ブロック塀、井戸や便槽などの撤去は含まれているか(あるいは勝手に含まれていないか)、さらに、工事後の整地の条件等もそろっているかチェックする必要があります。
こうした確認は、見積もりの比較条件となるだけでなく、工事後のトラブルを避ける上でも重要です。
見積もりを取る際は必ず業者立ち合いのもと現地を調査し、工事範囲を明確にしておきましょう。
3.見積もりにアスベストの撤去が含まれるか
アスベストの撤去が見積もりに含まれているかも、しっかりチェックしておきましょう。
アスベストは石綿とも呼ばれる繊維状の鉱物で、1950年代から70年代にかけて、建築工事等において頻繁に利用されてきました。
熱や摩擦、酸にも強いという丈夫さや安さから、保温材や断熱材として重宝されてきましたが、発がん性の高さが問題視された結果、規制されるようになり2006年には完全に使用が禁止されています。しかしそれ以前に建てられた建物にはアスベストが使用されている箇所が多く、そうした部分は特別な方法を用いて撤去しなくてはなりません。
ですから家屋解体前の調査でアスベストの存在が発覚した場合は、撤去費用を特別に見積もりに計上する必要があります。
また、解体前のアスベスト調査は法律でも義務付けられていますから、その点に関しても見積もりでチェックしておきましょう。
特に、築年数の古い家屋に関しては要注意です。
4.杭の撤去
建物を建築する際、地盤の状態が思わしくない場合もあります。そうした場合は、地盤改良のために地中に鋼管杭やコンクリート杭を打つことがあります。
一方、このような建物を解体する際には、こうした鋼管杭やコンクリート杭は「地中埋設物」として撤去する必要があります。以前の鋼管杭やコンクリート杭は、新たに建物を建てる際には使えませんから、家屋解体の際一緒に撤去しなくてはならないわけです。
もし撤去せずに新たな所有者へ売却し、新築工事等の際に埋設物の存在が発覚した場合、それらの撤去費用は売主が負担しないといけなくなります。
鋼管杭等の存在が明らかな場合は、撤去費用が見積もりに含まれているかを事前に確認しておきましょう。
5.工事日数の見積もり
工事日数の見積もりについても確認が必要です。
家屋解体にかかる日数は、建物の規模や状態によって異なりますが、担当する解体業者によっても多少日数は変わってきます。
解体工事の日数は単純に短ければよいというものではなく、作業の質を確保するには相応の期間が必要になります。
もちろん、適切な機械や工法を用いることで日数が短縮される場合もありますが、中には強引な突貫工事を行うことで日数を短くしている業者も存在します。そうした業者に解体を依頼した場合、事故や近隣トラブルなどを起こす可能性も比較的高くなってしまいます。
見積もりに書かれた工事日数が極端に短くないか、そうした場合はどのような工事を行う予定なのかについても、良くチェックしておきましょう。
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