新聞レイアウトの注意点

新聞のレイアウトで注意すべき点

国内、海外、政治経済、社会、文化やスポーツ・・・ニュースや情報を伝えるメディアである新聞。安価で多彩な情報を得ることができ、誰でも入手しやすい利点が特徴です。

昨今のインターネットの普及や発展により、情報発信のスピードではどうしても劣ってしまうものの、まだまだ存在感を発揮しているメディアのひとつです。そんな新聞紙面のレイアウトには、長い新聞編集の歴史によって培われた手法が惜しみなく詰め込まれ、また、禁止事項も存在しています。

インターネットやフリーペーパーなど、新たなメディアが次々に誕生している現代。読みやすく、かつ、情報を正しく伝える誌面や紙面、ページレイアウトについて、新聞レイアウトを参考にしてみてはどうでしょうか。

新聞レイアウトの現在

拡大する

インターネットやフリーペーパーなどの新たなメディアの登場に伴い、現代に求められる感覚に合ったレイアウトや、読みやすさの検討がありました。そんな中、新聞レイアウトについては、「過去のものである」「決して読みやすいわけではない」など、少なからず軽視するような見方があったのも事実です。その後の現在では、改めて新聞レイアウトを見直してみようという動きが見られます。日本の長い新聞編集の歴史に培われた新聞レイアウトの基本は、“押えて流す”と呼ばれるもの。そのほかすでにある新聞レイアウト手法を改めて学んだうえで、新たな形の新聞レイアウトを再検討するといった段階に入っているのです。

新聞レイアウトの基本

拡大する

インターネットはもちろん、最近は随分と日本語でも横書きの文章を目にする機会が増えました。しかし、新聞の基本はやはり縦書きがメイン。縦書きの日本語の文章には、上から下、右から左へと行を変えていくというルールが存在し、読む側も、その通りに視線を走らせていくような習慣を自然と持っています。そのため、レイアウト上で一番目立つとされるのも、右上から左下にかけての対角線になります。逆にそれ以外の部分、左上と右下は死角とされ、目立ちづらい場所とされています。

死角にあたる部分については、サイズの固定されたカコミやタタミなどのハコもの、あるいは写真や図版を配置して生かすというのが、日本の長い新聞編集の歴史で生み出されたレイアウトです。右上には最重要記事を配置。次に重要な記事は、右上から左下へと対角線上を流すようにして見出しを配置します。死角部分もそれぞれに押えます。これが新聞紙面レイアウトにおける基本、押えて流すといった手法になります。

新聞レイアウトの手順

拡大する

新聞紙面のレイアウト作業、すなわち割付を進めるにあたってはまず、掲載する素材をしっかり把握します。その上でどの面にどの記事を掲載するかといった面割の検討をし、各面の作業に入ります。各面の作業では掲載記事のうち、どの記事を一番メインとするかを決定し紙面の構図をラフスケッチします。この時点ではあまり形にこだわらず、より目立たせる方向性を重要視してかまいません。

次いで連載素材や毎号同じサイズで掲載されている素材を、死角にあたる部分に、できるだけ通常と変わらない位置にレイアウトします。これが、押えるといった作業になります。

その後は各素材のサイズを正確に計算した上で、記事を流していきます。見出しは掲載位置のサイズに合わせた長さやサイズとし、文字数は多すぎないよう注意します。メインとして立たせるべきは、見出しや写真や図版。記事を流すにあたっては、記事本文は削っても構わないという心づもりが肝要です。

新聞レイアウトのバランス

拡大する

新聞紙面のレイアウトにおいては、視覚的に判断した際のレイアウトの美しさも重要な要素のひとつです。全体のポイントは、紙面の中央からやや上部にかけたあたりに持たせるようにします。そのため、大きな見出しはなるべく上部にし、見出し自体の配置は左右に均等配置となるよう心がけます。大きな写真、図版も含め、紙面右側への偏ったレイアウトは不安定な印象を与えてしまうため避けましょう。また、カコミやタタミは縦長か横長とし、左右の大きさは紙面三分の一を超えないようにします。流し記事を邪魔した窮屈なレイアウトにして紙面を殺さないよう、安定感を持たせることを目指します。また、見開きになる面をそれぞれ別の部署でレイアウトする場合、左右に開いた時のバランスも必ず考慮してレイアウトを進行します。

新聞レイアウトの禁止事項

拡大する

日本語の縦書きにおける、右上から左下へと読むといったルールの他、読者が記事の内容を誤って理解しないように、あるいは、読む順番を見失ってしまわないよう、新聞にはレイアウトの禁止事項が存在しています。

ひとつめは飛び降りといい、上段より左、あるいは一段を超えて流すことを指します。両流れとは、両方に流れる可能性のある配置、泣き別れとは、記事が続くのに段末が改行で終わっていることをいいます。と流し込みについては、飛び降り、両流れ、泣き別れ、飛び越し、ハラ切りなどがあります。見出しについては、横並び、しりもち、エントツなどがあります。いずれも、記事内容の正しい理解を妨げる新聞レイアウトになってしまうため、注意が必要です。