個人向け無料オンラインストレージと法人向け有料オンラインストレージの違い
オンラインストレージには無料で手軽に始めることができる個人向けから、特別な機能がついた有料の法人向けまでさまざまなサービスがあります。
個人向けの無料オンラインストレージでは、パソコンやスマートフォンなど複数のデバイスでデータを簡単に共有できるという利便性などが求められます。
対して、法人向けの有料オンラインストレージは、利便性に加えて、データのバックアップや災害時のリスク管理、データを守るための強固なセキュリティが求められます。
個人向けの無料版と法人向けの有料版ではニーズが異なりますので、その点を踏まえて、それぞれのサービスの違いを見ていきます。
無料の個人向けオンラインストレージ
個人向けと法人向けの違いを見る前に、まずは手軽に利用できる無料のオンラインストレージができることを明確にしておきます。
オンラインストレージの利便性として、最も重要なマルチブラウザ機能も無料のオンラインストレージに備わっています。無料のサービスでも、パソコン、タブレット端末、スマートフォンで問題なく利用できます。
また、セキュリティに関して、無料の個人向けオンラインストレージだからといってセキュリティが考慮されていないということはありません。無料のサービスにも暗号化(SSL通信)機能やファイルごとにアクセス権限を設定するフォルダ機能などは備わっています。
無料の個人向けオンラインストレージを使っていて支障がでてくるのは、アップロードできる容量が足りなくなった時などです。無料のサービスには容量制限があります。
アップロードできる容量と転送速度の違い
有料の法人向けオンラインストレージになるとアップロードできる容量が格段に増えます(容量無制限のサービスもあります)。1TB(テラバイト)の容量を使用できて月1000円程度からあるようです。
また、有料になると、共用サーバが専用サーバに変わったり、または、サーバが上位機器に変更される場合もあり、転送速度が速くなるなどのサービスの品質が向上します。
なお、広告が表示されることもある無料のものに比べて、有料の法人向けオンラインストレージでは広告も表示されません。有料のオンラインストレージであれば、メールで送れない大きなファイルをやり取りしたり、大事なファイルをバックアップしたりする際など、仕事で使用しても支障はないようにも思われます。
個人向けの無料オンラインストレージと法人向け有料オンラインストレージの大きな違いとは?
個人向けの無料オンラインストレージを仕事で使ってよいかどうか。機能的には問題がなくてもセキュリティに不安があればビジネスシーンで使用することはできません。
企業にとって、オンラインストレージに求める最も重要なポイントはセキュリティです。無料の個人向けオンラインストレージにもセキュリティの機能は一通りついていますが、法人向けの有料オンラインストレージには、セキュリティ強化のための、様々な管理機能がさらに備わっています。この点が企業が使用する法人向けの有料オンラインストレージの大きな違いです。管理機能には、アカウント管理機能、グループ管理機能、ログ管理機能、端末認証機能などあります。
アカウント管理機能・グループ管理機能の違い
法人向けの有料オンラインストレージには、より細かいアカウント管理機能とグループ管理機能が備わっています。
アカウント管理機能は、ユーザーの認証情報を管理する機能です。ファイルを見れる人と見れない人を管理できるフォルダ管理機能に加えて、アカウント権限を管理する機能があれば、ファイルに対して編集、削除、移動、アップロード、ダウンロードを許可したり、閲覧のみに制御したりすることが可能です。また、特定のアカウントに対して緊急にロックかけることができれば端末の盗難時など非常事態にも対応できます。
グループ管理機能は、ユーザーのグループを作成し、フォルダに対して一括で権限設定することができる機能です。部署ごとやタスクごとにデータを管理できますので、企業にとっては必須の機能と言えます。
ログ管理機能の違い
企業にとって、万が一の場合に備え、オンラインストレージのログを監査証跡として残しておくことは必須です。個人向けの無料オンラインストレージにも履歴のログが見れるサービスもありますが、法人向けの有料オンラインストレージには、ログを取得する期間やログを取得する項目など、より詳細な情報を管理する機能が求められます。
ログ管理機能には、セキュリティ違反があった場合のアクセスログを取得する機能、監査レポートを出力する機能、アクセス状況をリアルタイムで監視する機能などがあります。
端末認証機能の違い
アクセスを制御する機能として、フォルダにパスワードやアクセスの有効期限などを設定をして管理することは無料の個人向けオンラインストレージでもできますが、法人向けの有料オンラインストレージの管理機能として、さらに端末認証機能があります。
端末認証機能は、スマートフォンやタブレット端末からオンラインストレージに接続する場合に、不正な接続を防ぐためにそれぞれの端末やIPアドレス(ネットワーク上のアドレス)の制限を行う機能です。パソコン端末の場合はMACアドレス(機器固有のアドレス)、スマートデバイス端末の場合はUUID(ソフト固有の識別子)に対して認証を行い、アクセスできる端末を制限することができます。
サービス連携機能の違い
法人向けの有料オンラインストレージには、サービス連携機能として、マイクロソフトのActiveDirectoryなどの他アプリケーションとの連携ができる機能がついているものもあります。
ActiveDirectoryはネットワークに接続するユーザーを管理するシステムですが、多くの企業ですでに導入されていますので、こういったサービスと連携できる機能があれば、企業にとってより導入が楽になります。
サーバの設置場所はどこにあるか?
個人は比較的気にしないかもしれませんが、企業にとってオンラインストレージのデータセンター(サーバ)がどこにあるかは重要です。
クラウド(外部サーバ)にデータを保管することが心配な場合は、自分の管理下にある自社サーバで運用するという選択肢もあります。オンラインストレージの自社運用(オンプレミス)です。
自社に技術的なリソース(人的資源)があれば、ownCloudのようなオープンソース(無料)のサービスを使って、自前のストレージサービスを構築することも可能です。
または、かなり費用はかかりますが、専用ハードウェアを搭載したサーバを使用して自社サーバをクラウド化する方法や、すでに稼働中のサーバに専用ソフトを導入して自社サーバをクラウド化する方法もあります。どちらにしても、自社で運用をする場合には、必要なコストと労力を払う必要があります。
なお、外部サーバの場合、そのサーバが設置されているのが国内か海外かという問題もあります。データセンターが国外にあると、もし何かがあった場合、データに対して国外の法律が適用されるリスクがあります。法人向けの有料オンラインストレージのサービスでは、こういったリスクを回避するために、日本国内にサーバを設置していることを強調しているものもあります。
コストの違い
最後に大きな課題として、コストの違いがあります。最もコストがかかるのは自社運用(オンプレミス)するケースです。その場合、サーバを設置する場所の確保から、ストレージ機器、収納するラックの費用、そして、構築作業にかかるコストが導入時に発生し、さらに運用開始後も、システムを監視・保守するコスト、故障時の交換のコスト、対応する人員のコストなど莫大なコストがかかります。ほとんどの法人向けの有料オンラインストレージは自社運用(オンプレミス)と比較すれば安いと言えるかもしれません。
法人向けの有料オンラインストレージを企業が導入していない場合、中小企業などでは社員それぞれが好き勝手に個人向けの無料オンラインストレージを業務で使用しているケースも多いようです。しかしながら、セキュリティのリスクを個人の資質にゆだねたままでは非常に危険です。また、無料の個人向けのオンラインストレージは広告を掲載することでサービスが成り立っていますので、自社に関係ない広告がついたサービスをビジネスの場面で案内することは体裁もよくありません。
法人向けの有料オンラインストレージを選択することでコストは発生しますが、その分、より高いセキュリティとリスク管理を確保でき、さらに、ビジネスシーンでの自社の信頼につながっていくと言えます。
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